Clover SCで手持ちの端末を比べてみた
折角なので、手元にあるデジタイザに対応したAndroidタブレット端末をClover SCで調査した結果を紹介します。
- GALAXY Note 10.1(4.0.4) - Exynos 4412 (4コア) 1.4GHz
- HTC Flyer(3.2.1) - Snapdragon (1コア) 1.5GHz
- ThinkPad Tablet(4.0.3) - Tegra2 (2コア) 1GHz
この三機種の比較になります。
まず、画面に余計な表示物が無い状態での、時間分解能(スキャンレート)の総合スコアの結果です。
Guide[x] Csr[x] Dly[x] Ers[o] Inf[x]
HTC FlyerはAndroid3.xのためホバーの情報が取れないので、空白になっています。
結果としては、GALAXY Noteが比較的高い数値を示しています。
ただし、描画が行われないホバーの場合はTPTの方が高いスコアを出しています。
描画が行われる場合、HTC Flyerの方がTPTより高いスコアになっていますが、これは標準偏差が小さいためです。詳しくは最後にソースにしたデータへのリンクがあるのでDLしてご覧ください。
あと、気付きにくい部分ですが、スタイラスとスタイラス(5%cut)を比べると、他の端末は(5%cut)付きでかなりスコアが上昇しているのに比べて、HTC Flyerは殆ど変化がないことがわかります。5%cutは最大値と最小値から5%のデータを異常値としてカットしているため、標準偏差が縮まり、スコアが上昇する傾向があります。逆に言えば、カットしても変化しないのは異常な値が少なく、元々非常に安定した数値を出しているということです。これは優れた特徴です。(6月8日追記)
Guide[o] Csr[o] Dly[o] Ers[o] Inf[o]
次に、 遅延ガイドやリアルタイム情報表示などを行った場合のスコアです。
表示がない場合と比べて、 GALAXY NoteとTPTのスコアの開きがかなり大きくなっています。またHTC FlyerがTPTよりスコア的に低くなっています。これはシングルコアのため、描画処理の重さが他の部分の処理も重くしているためだと考えられます。
単純な1スレッドでのCPUベンチマークに近い「画面更新なし」の項目では多くの場合GALAXY Note10.1よりHTC FlyerやTPTの方が上回っています。ただし、描画更新有りの時はシングルコアのHTC Flyerはスコアが極端に落ちています。TPTは2コアなので、「画面更新あり」でも速度を保っていて不思議ではないのですが、やはりこちらもGALAXY Note 10.1よりも、画面更新を同時に行った時、全体の性能が大幅に低下するようです。Tegra2の特性でしょうか?興味深いところです。
全体的に見て、実際の利用シーンに近い状況では、GALAXY Note 10.1が他の端末よりかなりいいスコアを出していて、実際に触った時のイメージに近いスコアが出ているように思います。特に画面に余計な表示物がないときの時間分解能(スキャンレート)の総合スコアのスタイラスの欄が、実際の描き味に近いスコア差になっているように感じられます。やはりこの部分が描き味に大きく影響するのでしょう。
[2013/07/02 追記]
Cloverベンチマークですが、v 0.1xには相対スコアに関して致命的なバグがありました。また、上記グラフもその致命的バグの影響でGALAXY Note 10.1のスコアが低く出ています。正しいグラフはこちらになります。
v 0.1xでは、ベンチマークの時にも、ストローク予測強度設定の効果がOFFになっておらず、GALAXY Note 10.1では予測3でベンチマークをとっていたため、本来の速度よりも3割ほど遅くなっていました。
v 0.2ではこれを修正し、常に効果OFFでベンチマークをとるようになりました。また、相対スコアの基準もそれに合わせたため、v 0.2では相対スコアが下がります。
正しいベンチマークでは常にGALAXY Note 10.1が圧勝でした・・・
以下は、表を作るのに使った元データへのリンクです。(ベンチマークはv 0.2のものに更新しました)
手持ちの端末をClover SCで計測し、データを追記するなどしてご自由にお使いください。
http://www.cloverpaint.net/Clover SC - 時間分解能.xlsx
http://www.cloverpaint.net/Clover SC - Cloverベンチマーク.xlsx
この記事で使った表は、Googleドキュメントに上記ファイルを送ればすぐに表示されます。